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2013年1月31日 (木)

血液検査数値は重症度の指標になりえるか (CRP値)

先日、m3.com 臨床ダイジェストで興味深い記事を見つけました。「CRP、医師を助けるか否か

昭和大学臨床感染症学教授の二木芳人氏と、自治医科大学の矢野晴美氏が、CRP選定の意義について持論を数回にわたって展開した論点のまとめについてでした。

CRP (C-reactive protein) とは、体内で炎症反応や組織の破壊が起きているときに血中に現れるタンパク質。基準値は0.3 mg/dl程度で、高値を示す疾患としては、感染症、自己免疫疾患、悪性腫瘍、外傷等があります。

10 mg/dl以上で重度上昇、入院レベルと考えられるみたいですが、実際は風邪でもその程度の数値が出ることもあるようです。血液検査で、このCRP値の上昇について指摘された方も結構いらっしゃるかもしれません。

私は、家族の病気でこの数値に随分振り回されてきました。

救急車で運ばれ、最初に指摘されたのが
汎血球 (白血球、赤血球、血小板の全ての血中細胞) 減少。結局、骨髄異形成症候群から悪性リンパ腫の診断がついたのですが、細菌やウイルスなどの異物からカラダを守る生体防御の働きをする白血球が減少すると、感染症に罹りやすくなります。このCRP値が高値を示すと、風邪でも安静状態になるのです!

次に、別の病気で簡単な手術だったはずなのに、術後の肺塞栓でICUに。そこで「
緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa)」に感染して、当然、CRP値は高値を示しました。現実、院内感染なのですが、多くの抗生物質に抵抗を示す (多剤耐性) この菌の感染は大変でした。ICUのステーションのPCには「○○菌検出!」なんて紙が貼ってあり、そこに重症患者がいると思うだけでもゾッとする思いをしたものです。

違う病院に通院するようになりましたが、昨年は、起因菌が分からないままで感染症を繰り返し、土日も含めた連続治療。主治医は血液内科のドクターなので、当然そこでの治療となりました。「起因菌が分からなくて、抗生剤はどう選んでるの?」と疑問が起きます。第一候補、第二候補、といった具合に優先順位があって、CRP値が下がらず菌をたたけないと、次の優先順位の抗生剤に変更になるそうです。

他にも疾患があったので、私でも推定できる感染経路が考えられたのですが、結局その診療科でちゃんと検査してもらえるまでには、随分時間がかかりました。この状態を繰り返していたので、医療費の他に月8~9万程度の介護タクシー代。
CRP値の高値と治療の関係は適切だったのか、時間とお金を費やしても、患者側からは意見を言うことはできても身動きできませんでした。病院内の連携や、他の診療科のドクターの姿勢も大きなネックではあったのですが。

さて、CRPの論点のまとめとして、二木氏は「基本必要」の立場。

- 重症例を拾える
ただし、一時的に測って高い低いで測るのではなく、値の変動から推し量る。CRPを使いこなし、仮説から確定していく検査計画を立てられる教育が必要。

それに対し、矢野氏は、「ほぼ不要」の立場。

- 感染性心内膜炎等、治療が上手くいけばCRPが下がると予想される疾患を対象とした場合限定的に測定。重症度の診断としては、患者のバイタルサイン、一般所見 (general appearance)、身体所見、その他の検査結果を含め総合的に判断。

現場では、信頼性の高い情報を用い、エビデンスに基づいた診療 (Evidence-based practice [EBM]) を目指す

医師会員のアンケートでは、約8割が「基本的に必要」の回答だったそうです。

私にはどちらの論点が正しいかなんて知る由もないのですが、日本以外では炎症の指標としてCRPが一般的に用いられる事自体が少なく、白血球に依存しているそうです。

ただ、矢野氏の「本当に必要か (ワクチン同様) 国家レベルで考えよ」 には考えさせられる面があります。「出来高払いであれば、検査をオーダーするほど経営的な利益が出る」「基本的には、最低限必要な検査で、できれば安く、患者への侵襲性の低いものを選ぶ」の考えは、患者側には有難い視点です。

最近では、米国では、院内で感染症が発生した場合には、病院の責任として費用を拠出しないという仕組みが出てくるまでになったそうです。

医療経済性と医療文化の関係、および医師の意識の高さ、これらの改善によって、患者側の色んな側面での負担が減ることを信じてやみません。

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