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2014年7月 5日 (土)

スーパー・ドクターと世界最速承認の抗癌剤!

6月29日、キャンサーネットジャパン・中国新聞社主催による肺がん疾患治療啓発キャンペーン「っと知ってほしい肺がんのこと2014 in 広島」に参加してきました。

キャンサーネットジャパンは、「患者擁護の立場から科学的根拠に基づく情報を発信する」NPO法人で、専門医による講演がインターネットで動画配信されているので、これまでも何回か視聴したことがあります。

Photo_1
開会30分前の開場と同時に、すぐに会場が人で埋まってきたのには驚きました。開会まで、写真のようにインタビューが流されています。

プログラムは、

club肺がんの概要、club肺がんの外科治療、club肺がんの放射線治療、club肺がんの薬物療法、clubさとう宗幸さんのミニコンサート、clubQ&Aセッションで構成されていました。

肺がんは、組織の違いにより非小細胞肺がん: non-small cell lung cancer(腺がん、大細胞がん、扁平上皮がん)と小細胞肺がんに分けられますが、肺がんの約85%は非小細胞肺がんです。

そのうち、日本人の肺がんの中で最も多いのが腺がん:
adenocarcinoma(男性約40%、女性約70%以上)だそうです。女性患者の多くが非喫煙者ということには驚きました。

当日のセミナーで印象に残った点をいくつか挙げておきます。



flag広島大学呼吸器外科医 岡田守人ドクターによる、患者に低侵襲な肺がん手術ハイブリッドバッツ(HYBRID VATS)

VATS: Video-Assisted Thoracic Surgery (胸腔鏡下手術)


内視鏡2割直視8割の術式で、
傷が小さく、肋骨、筋肉を切断しないため術後の疼痛が少なく、安全性の高い最先端治療です。5年生存率90%以上、出血が少ないため輸血も必要ないという手技をビデオで拝見しました!また、TBSの「これが世界のスーパードクター13」に出演された時のエピソード(最高視聴率を取ったのは、2日に1回しか自宅に帰れず、病院に寝泊まりしている乱雑な部屋が映った時)も楽しく拝聴しました。広島に、このような名医がいらしたとは!

flag放射線治療における呼吸同期照射法: respiratory-gated radiotherapy

放射線治療の際に患者の呼吸運動を連続的監視。一定の呼吸周期の時(息を吸った時)にのみ放射線が照射されるように制御して、標的範囲を最小限に絞ることが可能となります。

flag最新鋭の放射線治療装置トゥルービーム(TrueBeam)
従来の4倍の髙線量率で照射可能な装置を導入して、臨床応用中。



Img_0
                         TrueBeam

flag4基幹病院の連携ネットワーク型がんセンターとして、高精度放射線治療が受けられる「広島高精度放射線治療センター(仮称) 」が平成27年秋に広島駅北口にオープン予定。
県民としては、心強い限りですね(≧∇≦)。


flag分子標的薬クリゾニチブ: crizotinibは、2012年、世界最速のスピードで承認!

新しい薬が研究開発されるには、10年以上かかると言われていますが、何とこの抗癌剤(クリゾニチブ)は論文発表からわずか4年で承認されたそうです。

この治療薬は、自治医科大学の野間博行教授が2007年に発見した肺がんの原因となる新しい融合遺伝子(fusion gene) EML4-ALKの知見が基になっています。


クリゾニチブ世界最大の製薬会社である米ファイザーが、米食品医薬局(FDA)から2011年に承認を得、日本でも2012年に承認されています。

帰宅後、少し調べてみました。「産学官連携ジャーナル」2013年1月号によると、FDAは第III相のデータなしにこの薬を承認したそうです。


抗がん剤の開発では、第I相第II相第III相の3段階の臨床試験を行います。
第I相で安全性を確認し、第II相で有効性、用法・用量を調べた後、通常は第III相で、患者を対象に大規模に薬の安全性・有効性を評価します。

その際、二重盲検試験: double blind test
クリゾニチブ一般の抗がん剤とをランダムに投与することが「医の倫理」に反するとFDAでは考えたようです。これだけ効く薬があるのに、EML4-ALK陽性だと分かっている患者を一般の化学療法のグループに振り分けるのは、「生きる権利を奪う行為」であるという判断があったようです。

もちろん、安全性や有効性を十分に検証する必要はありますが、ドラッグ・ラグ(drug lag: 新薬承認の遅延)の問題が解消されて、日本における新薬実用化を加速させる体制作りを強く望みます。

Photo_2
キャンサーネットさんからは、用語説明や、高額療養費制度についてのQ&A等、色んな参考資料、便せん、ボールペンの入ったバッグをいただきました!


参加者には患者さんやそのご家族が多かったようで、登壇者への質問シートの回収率はとても高かったようです。私の質問はボツとなりましたが、患者自らが「現在と将来の治療の展望」を知ることができるとても良いセミナーでした。


Sankinkotai
   次のセミナーも、行きたいですにゃ~(=^x^=)


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