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2014年11月26日 (水)

日帰り大阪の収穫は(2)

さて、本題に入ります。

22日に開催されたJatPharma医薬翻訳・メディカルライティング研究会について書きます。

私的には、これまでのセミナーの中でも特に優れたセミナーであったように思います!


1) 翻訳者を助ける一次翻訳五つの心得
柳瀬 大輔さん

2) 医薬翻訳者とメディカルライターのためのグローバル・イングリッシュ
森口理恵さん、リー・シーマンさん

3) 照会事項英訳に関するワークショップ
Ben Tompkinsさん


10816034_348277382017159_1522765057 写真は、リー・シーマンさんと組んだセッションでの森口理恵さん




今回のセミナーでは、日本人およびネイティブ・スピーカー双方の観点から英訳を解説いただけたところが素晴らしかったと思います。

正直、英訳についてはすごく迷いがありました。

翻訳会社が求めているスキル、目指すべき英文がよく分からなかったからです。


フィードバックがないことも多く、また新規案件で過去に自分の手がけた類似案件の完成品(ソース・クライアントへの納品物)を目にする機会があると、文章が逐語調の意味的には誤訳に書き直されていたり、スタイル・ガイドに準拠して統一していた表記が日本語表記で使用するスタイルに変わっていたり・・・という経験もありました。

が、一方、医薬関連の日英併記の書籍を買うと、関係者が翻訳し、関係者プルーフ・リーダーが校閲した英文は、まさに意味を考えた訳文・内容を正確に伝える仕上がりとなっており、原文の日本語の曖昧さが消えた英文となっています!ただし、逐語訳ではないので、一見、訳抜けがあるように思える箇所もあります。


ともかくも、日英のトライアルに落ちた経験はありません。なので、ある程度の基準は満たしているものと思われます。


が、どこまで英文を逐語訳から離れた文章に組み直していいのだろう・・・・・

そんな迷いの気持ちがセミナー内で徐々に薄らいでいったものの、セミナー後にまだ解決に至っていなかった気持ちをFBでコメントしたところ、登壇者の方からアドバイスをいただきました。


参考文献の読み込み」と「文例検索」が「重要な信頼獲得ポイント」になって、この訳者は頼りになると思ってもらったらOKかも!という内容でした。

9deng
デング熱のウイルスを媒介するヒトスジシマカ=国立感染症研究所昆虫医科学部提供・共同




もう一度、当日の資料を読み直してみました。2)のセッションで使用したデング熱に関する資料です。原文の日本語で、曖昧な情報、不明な情報、大事な点、主語は? そんな点について、日本人翻訳者がどんな参考文献を使って調べ、探し当てた情報がネイティブの手の入った最終英文の中にどんな風に組み込れられているかを再度確認してみました。


納得です!

書き手が伝えたい情報を読み取る力である「読解力」、伝えたい内容を他人に分かるように書く力をつける「発信力」。

そこで、参考文献から「借りてくる力」も必要となるというわけですね!


1) のセッションにもあった「専門用語の落とし穴」「文章に命を吹き込む動詞」も、参考資料・テキスト等を検索・調査することである程度解決できそうです。



分野を超えた、3Cに基づくグローバル・イングリッシュ



私の場合、医薬の分野では特に時間をかけ、単語単位と同様、フレーズ・文章単位でもデータベース・参考資料を使って検索を繰り返しています。



また、「動詞」については、「日本語をそのまま訳さない」という注意は払っています。
疑って、疑って、複数の用例を比較したり、参考書籍の中で類義語の違いを調べたりしています。




薬事・申請における英文メディカル・ライティング入門IV」は、4冊組のシリーズの4番目の本なのですが、リー・シーマンさんの過去セミナーの内容です。p.149に「文章・段落のチェックリスト」があります。

こんなチェックリストを使用して、自分の訳文をチェックしてみるのもいいかもしれませんね。


あ、私も結構調べて英文を書いているんだな、と再認識!でも、用語レベルでの調査・検索は十分でも、曖昧でない英文を書くために参考資料の中から必要な情報を取り出す技術が不十分かもしれません。



動詞や助動詞の使い分けに参考にしているのは↑の本!



また、データの関係性が明らかになる英文を書くこと。
この点も、文章構造の組直しをレビューしてみようと思います。


そして、最後のセッションの「照会事項」。

予習資料がとにかく充実していました!「照会事項」やPMDAの定義から、医薬品承認プロセスのどこで照会事項が発生するのか等、内容理解を助ける資料からWorkshop資料に移行したので、「内容や意味を理解した上で訳す」ことにスムーズに移行できました。惜しみなく、資料を提供してくださったBenさんに感謝です!



が、お恥ずかしいことに、予習資料を読むのに時間がかかって、宿題を完成せずに参加しました(..;)。

新幹線の中で全体を読んで単語レベルはチェックし、文章は私の頭の中で組み立てておりました(^_^;)。



宿題をやってきた人!



私は見逃しませんでした。Benさんの呼びかけに登壇者のお一人、森口理恵さんが手を挙げられたのを・・・・。



PPTの作成、予習資料や配付資料の作成等
、登壇者がどれだけの時間と労力を使われたのかは、私にも想像できます。


セミナー内容以外にも素晴らしいなと思ったのは、森口さん自ら受付業務をし、また質問者の発言にも自らマイクを持っていかれていた姿勢です。(お声掛けいただければお手伝いできたのですが、きっと参加者が学習に集中できるよう配慮されたのですね)


そして、他の登壇者からの宿題もきちんとこなして参加されている・・・・。



翻訳者としても、講師としても、勉強会の登壇者・参加者としても、素晴らしいと思えることばかりでした!


来年1月25日、広島での「第3回西日本医学英語勉強会」に森口理恵さんにご登壇いただく予定です。


先生」を付けるのを禁止されていますので(笑)あえて「さん」で呼ばせていただいていますが、やはり、すごいなー・・・・(*゚ー゚*)。


未だに「さん」でお呼びすると「初恋の人」」の名前を呼ぶようで恥ずかしいのですが、なぜ「先生」でなく「森口理恵さん」なのか、その姿勢を学べたように感じました

JatPharmaのメンバーで良かった!と思えた一日でした。が、日帰りのために午後9時前に退席したのが残念~。



Bzrz52pcaaigiwh 早く、いい文章が書けるようになりたいですにゃー(=^..^=)!!


sun今日もポチッとしてね!いつもありがとうございますheart04


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コメント

まいどです~。
期せずして、同じような時期に同じような記事を書いてましたね~。その節は、色々な方にご紹介頂き、本当にありがとうございました。強行軍、お疲れ様でした。

>「参考文献の読み込み」と「文例検索」が「重要な信頼獲得ポイント」になって、この訳者は頼りになると思ってもらったらOKかも

そのメッセージ私も読みました。たとえ、直しが入っても、「きちんと調べて解釈している」訳文というのは、読む人が読めば分かる、提出された英文が多少意に沿わないものであっても、この訳者の書いた文は信用できる、と思って貰えるということではないかと思いました。日英と英日の違いはありますが、私も、このメッセージに指針を頂いたような気がします。

>あ、私も結構調べて英文を書いているんだな、と再認識!でも、用語レベルでの調査・検索は十分でも、曖昧でない英文を書くために参考資料の中から必要な情報を取り出す技術が不十分かもしれません

私もまさにこれなんで、これからもっともっと精進しなければと思いましたわ・・・

Akoronさんのこちらの記事が、内容をとてもよく伝えていらっしゃるので(照会事項も含め)、ウチの中途半端な記事にリンク貼らせて下さいな。
今度は、ゆっくりいらして。

Sayoさま

拙文にリンクを貼っていただき、ありがとうございます♪

良い訳文を積み重ねて、それで信頼ポイントをいただけないようであるなら、その翻訳会社の体制やらスキルが低いということだわ、と妙に吹っ切れました。取引先を選ぶのも翻訳者の仕事ですものね。

でも、こうしてコミュニケーションを取っているうちに納得できることもありますよね。ありがたいことです(^_^)。年末にかけて、プライベートでもバタバタするかと思いますが、病弱どおし、体をいたわって来年こそ!(毎年思うけど(^0^;))良い年としましょう♪そして、いつか奈良の鹿と阿修羅様に(もちろんSayoさんにも)会いに行きたいですにゃ(=^..^=)。

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